酪農コラム/肺炎~牛呼吸器病について
コラム
~ はじめに ~
肺炎は生後1ヶ月齢から育成前期にかけて高い割合で発症する疾患です。
特に厳冬期や季節の変わり目には集団発生が起こりやすく、治療費・治療作業の増加や発育停滞に伴い初回授精の遅延、産乳性の低下などを引き起こしますので、仔牛を育成する上で必ず対策が必要となる疾患です。
肺炎の原因となるのは、病原体・飼養環境・宿主(牛)の3点であり、どれか1つの対策を講じても大きな効果が得られないため、総合的な対策が求められます。
①.病原体対策
肺炎の原因となる病原体は主に、細菌・ウイルス・マイコプラズマです。
これらの病原体対策は、感染源の排除と感染経路の遮断が重要です。
カーフゲート(以下CG)では牛舎洗浄、消毒、石灰塗布を導入舎と哺乳ロボット牛舎で実施し、哺乳器具等も次亜水を活用して衛生的に管理しています。
哺乳ロボットや離乳後の群飼では牛個々の接触を抑えるのは不可能ですから、ペン単位・牛舎単位で感染経路の遮断に努めています。
②.飼養環境対策
肺炎の原因となる病原体は主に、細菌・ウイルス・マイコプラズマです。
これらの病原体対策は、感染源の排除と感染経路の遮断が重要です。
カーフゲート(以下CG)では牛舎洗浄、消毒、石灰塗布を導入舎と哺乳ロボット牛舎で実施し、哺乳器具等も次亜水を活用して衛生的に管理しています。
哺乳ロボットや離乳後の群飼では牛個々の接触を抑えるのは不可能ですから、ペン単位・牛舎単位で感染経路の遮断に努めています。
③.宿主(牛)対策
宿主(牛)が原因で肺炎になる場合としては、初乳給与失宜による免疫量の不足、下痢や低栄養による免疫力の低下です。免疫力の低下は②飼養環境が原因の場合もあります。
宿主(牛)自体の免疫力を低下させないためには離乳・除角・群の再編移動・ワクチン接種等のストレスを分散することが重要です。ガンベや肺炎になる牛が決まったステージで多い場合は1ヶ月程度前から免疫力が低下している証なので飼養管理などを見直す必要があります。
おわりに
呼吸というものは外の空気を体内に取り込み吐き出す。という事を踏まえると、大気中の細菌やウイルス、ほこりやカビなどに肺は直に曝されていて、体の内にあって外にあるのと同じ状況だと言えます。
肺炎に対して抗生剤やワクチンである程度は対応できますが、いま一度①病原体②飼養環境対策を講じて③宿主(牛)の免疫力を低下させないことが重要です。それでも不十分であればワクチン等で補完して常に免疫力を優位に保つことが肺炎減少につながります。
次回は今回触れられなかったワクチンについてです。