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タイセイ飼料株式会社

酪農コラム/哺乳プラン策定

今回は哺乳プラン策定についてのポイントを2点、カーフゲート(以下CG)の哺乳プランを用いてご紹介します。

下の図1がCGの哺乳プランになります。

酪農コラム/哺乳プラン策定

(図1)

前回、出生~1ヶ月齢まではほぼミルクからのエネルギーで増体させる事、出生~離乳日までの間に胃腸を作り上げる事、この2点が重要だとお伝えいたしました。
離乳前後に食餌性下痢、とくふく、被毛粗剛な仔牛が散見し肺炎が増加する場合は哺乳プランの見直しが必要でしょう。

ポイント① ピーク哺乳量について
出生~1ヶ月齢の仔牛をミルクからのエネルギーで増体させるためには最低5ℓ以上必要になります。4ℓ程度だとスターター摂取量は増加し早期離乳が可能だと思われがちですが、この時期の仔牛はスターターの栄養源であるデンプンの消化酵素分泌が低いため消化吸収されづらく、エネルギー源として上手に利用できません。そのためDGがマイナスになる事もありますし、体力・免疫力の低下を引き起こします。その結果、哺乳期間中の疾病が絶えず発生する事になり離乳時点で満足いく体格が望めません。
逆に粉ミルク多給型では仔牛が目に見えて大きくなり、管理する側から見ても安心しますが、ピーク期間中はスターターの摂取量が少ないため胃腸を作って離乳を迎えるためには長期間(8ℓ-10週、10ℓ-12週程度)の哺乳が必要になります。施設・経費の面で十分な哺乳期間が確保できない方には離乳後の疾病増加が懸念されます。
図1のCG哺乳プラン(8週離乳目標)では導入から32日齢まで1日6ℓ給与しており、ピーク終了時点で300g~400gのスターターを摂取しています。夏場の最初の1~2週間齢はほぼ食べませんが、気温が低下してくると摂取量が増加してきますので、順次防寒対策(ジャケット・赤外線ヒーター・麦稈増量・粉ミルクの変更などなど)を開始する目安にしています。ミルク多給も重要ではありますが、離乳のためには早い時期から食べる事への馴致も重要です。ほんの少しスターターを食べるピーク哺乳量を把握することがスムーズな8週離乳へ繋がります。

ポイント② 漸減方法について
仔牛は1ヶ月齢ぐらいになると、デンプンや繊維の消化酵素の分泌が増加してきますので、ミルクを減らしていっても大丈夫な時期に入ります。
しかし、胃腸自体はまだまだ未成熟でありますので急激なミルクの減少は負のエネルギーバランスに陥りやすく体調を崩す原因になります。
おおよそエネルギーとしてミルク1ℓ≒スターター200g程度なので、例えば朝夕3ℓ×2回=6ℓ哺乳を朝3ℓのみに5割減らすとストレス下の中、前日より600g以上多く未成熟な胃腸で消化吸収しなければ同等のエネルギー摂取になりません。負のエネルギーバランスに陥ると、発育停滞や食餌性下痢を起こし、免疫力の低下から肺炎・コクシジウム症・とくふく等の発症リスクが高まります。
CGの哺乳プランでは、離乳に向けてツーステップダウンを使用しています。
1回目の漸減は3割以内(6ℓ→4.5ℓ)とし、スターター摂取を軽く促します。3割以上漸減するとスターター摂取が追いつかなくなり負のエネルギーバランスになってしまします。その後4.5ℓを1週間維持する事で、急激なスターター摂取による食餌性下痢を予防しつつ胃腸を慣れさせます。(準備運動)
その後7割ほど(4.5ℓ→1.5ℓ)漸減して再度スターター摂取を促します。
またここで1.5ℓを1週間維持する事で急激なスターター摂取の増加を抑えると同時に離乳ショックを和らげる期間をとります。(リハーサル)
そして最後に断乳をして離乳(本番)を迎えます。1.5ℓと少量からの断乳のためショックも少なく1~2日で鳴かなくなります。2回の漸減(ツーステップダウン)で人為的にスターター摂取を促し、離乳前後の食餌性下痢・発育停滞しない胃腸を作る事ができますし、離乳してからみるみる増体していくのが分かります。離乳前のツーステップダウン漸減方法は手やり哺乳ではなかなか煩わしいですが、仔牛に対して身体的(ルーメンや腸)・精神的ストレスを軽減できますので哺乳プラン策定時の参考にして下さい。

以上、今回は哺乳プラン策定時のピーク哺乳量設定と漸減方法の考え方について私なりの考えを書かせて頂きました。現在の各種飼料・資材価格を鑑みると、ピーク哺乳量6ℓの8週離乳が仔牛の発育を十分に担保でき、経費の費用対効果が一番高いと考えます。現場では様々な制限がありますが、哺乳プランの変更の際には是非活用して頂きたいと思います。