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タイセイ飼料株式会社

獣医/機能性飼料素材 (1)

––– 飼料の持つ3つの機能とは? –––
 本コラムの開始以降、これまで一貫して母牛と子牛の飼養管理について話をしてきましたが、今回からは肥育も含めた「飼料」の話をしていきます。

 ヒトの食品には、それが持つ機能として以下の3つがあると言われています(1)。

【一次機能:栄養機能
必要な栄養素を補給して生命を維持する機能

【二次機能:感覚嗜好機能
食べた時においしさを感じさせる機能

【三次機能:生体調整機能
生体防御、体調リズムの調節、老化制御、病気の予防・回復、など健康の維持増進に関与する機能

 これらは家畜の飼料にも当てはまると考えられており(2)、どれが欠けても高い生産性は望めません。

 その中でも、子牛の成長/搾乳牛の生乳生産/肥育牛の増体には、当然それを補うだけの十分な「栄養」が必要なので、一次機能である栄養機能が家畜の飼料に求められる最も重要なポイントであることは間違いありません。だからこそ栄養機能については多くの記事や成書があり、農家の皆さんや私たち技術者も一番着目しているポイントかと思います。

 一方で、いくら高い栄養機能を持つ飼料でも、ウシが食べてくれなければ栄養になりません。今の暑熱期は給餌した餌が傷みやすく、それによって餌が「熱を持つ」「臭いがする」といった変敗が起こるとウシは餌を食べてくれません。ウシは私たち人間よりも嗅覚が優れているので、ちょっとした餌の変化を敏感に感じ取ります。つまり、ウシが健康で高い生産性を発揮するために餌に求められるポイントとして、「おいしくてウシがたくさん食べてくれること」という感覚嗜好機能も重要であることが分かります。
 
 これら2つの機能が十分備わっていれば、多くの場合、ウシは健康的に安定した生産・成長を達成できると思います。その上で、「より健康に」「より高い生産性を目指して」飼養管理を行なっていく場合、通常の飼料原料・飼料素材だけでは難しいケースもあるかと思います。一例を挙げると、

・治療したらすぐ治るけど子牛が必ず生後1週間で下痢をする
・通常の繁殖は問題ないけど採卵すると成績がイマイチ
・導入してから1ヶ月以内で肥育素牛が下痢したり風邪をひく

などがあると思います。その様な時に飼料に期待できる機能として3番目にあげた生体調整機能があります。例えば生菌製剤やカビ毒吸着剤などはこの機能を持つ飼料として皆さんもよく知っていますし、ヒトでは同様な製品としてヤクルトなどの乳酸菌飲料が当てはまります。

––– 家畜における機能性飼料とは? –––
このように、栄養供給とは別に免疫調整や生体機能向上を目的として利用される飼料のこと「機能性飼料(または機能性飼料素材)」と呼び(2)、畜産酪農分野にも数多くの製品・素材があります。
 
 日々の農場経営の中で皆さんを悩ませているウシの状態・病態に対して、それらを解決できる適切な製品や素材の選択ができれば機能性飼料は非常に有用であり、経営にもプラスに働くことは間違いありません。

 一方、数多くの製品や飼料素材が乱立する中で「何を使ったらいいか分からない」「使ってみたけどウシが良くならない」といったケースは少なくないと思います。機能性飼料はウシの業界ではいわゆる「A飼料」として扱われるものが大多数であり、その機能を正確に検証した科学的データが乏しかったり製品の正確な中身(構成比や成分量)の開示義務がないため、製品の良し悪しを判断するのは非常に難しいです。

 使ってみないと分からないものも多いかと思いますが、このコラムではその一助になるように、機能性飼料素材にはどの様なものがあってどの様に作用するのか・どういったケースで有効か、という話を次回からしていきたいと思います。


― 参考文献―
(1)食品総合研究所, 農研機構(https://www.naro.affrc.go.jp/archive/nfri/introduction/chart/domain03/index.html

(2)熊谷ら, 家畜の健全育成における機能性飼料素材の利用と将来展望. 家畜感染症学会誌. 2015, 4(1):5-12