酪農コラム/牛の食欲不振
コラム
以前、私が勤務していた家畜診療所では毎朝、連絡の入った農場名と牛の症状(稟告)がホワイトボードに書き出され、担当獣医師を割り振り診療に赴いていました。その診療依頼(初診時)の中で最も多い稟告は「食欲…
全ての記事を自由な言葉で検索できます
以前、私が勤務していた家畜診療所では毎朝、連絡の入った農場名と牛の症状(稟告)がホワイトボードに書き出され、担当獣医師を割り振り診療に赴いていました。その診療依頼(初診時)の中で最も多い稟告は「食欲…
今回も引き続き牛が食べるえさの量【DMI(乾物摂取量)】の話をしていきたいと思います。 前回は飼料に含まれる水分の量で、与えている飼料の実質の重量が変わるという内容でした。今回は「牛たちにど…
【ご挨拶】 皆様はじめまして、私は中部飼料(株)という飼料メーカーの研究技術部に所属する獣医師の高木信明と申します。 この度、タイセイ飼料株式会社様のホームページでコラムを執筆する機会をい…
脂肪と油糧種子 大豆や綿実は油を含みます(18~23%)が、単純に油を添加したときのような悪影響を起こすことは通常ありません。これは反すうや消化の間に種子からゆっくりと油が放出されるために、ルーメ…
季節要因 季節によって乳中の脂肪酸の含有量は変化します。ニュージーランドでの研究では、春と夏の放牧時期に乳中の不飽和脂肪酸が増えることが示されています。乳脂肪の硬さ(冬は硬いバターができる)はこの…
はじめに 乳脂肪は乳中で最もエネルギーの高い要素であり、泌乳する動物にとって乳脂肪の生成は最も代謝上の負荷が大きいものです。乳脂肪の低下が起きるのは、代謝上のストレスを低下させるための動物の戦略で…
乳脂肪の生成 乳脂肪率は、動物の種によって大きく異なります。乳脂肪が高いのは海に棲む哺乳類(30~55%)や寒冷な地域に住む動物(ホッキョクグマは31%)などです。家畜の中では水牛や羊(10~12…
脂肪代謝 脂肪生成の生化学が少し理解できると乳脂肪の生成と乳脂肪低下のメカニズムが理解しやすくなります。科学の用語で脂肪はトリグリセライドと呼ばれます。これは脂肪が常に3つの脂肪酸と1つのグリセロ…
はじめに ほとんどの植物には脂肪はわずかに含まれる程度(1~4%)であるため、反すう動物の飼料に含まれる脂肪は非常に低いレベルであることが一般的です。豚用や鶏用の飼料では脂肪をより多く含みます(5…
カプセル化 脂質や他の物質によるカプセル化は、ルーメン内での分解を減少させ高いバイパス率を牛に供給します。このカプセル化の技術(アミノ酸や尿素など)はたくさんあります。必須アミノ酸の中でメチオニン…